平和教育関西フォーラム

―これからの平和教育

平和アニメも上映します。短編アニメ3本で楽しく、対立の解決を学ぶことができます。http://www.peacevideo.net/

『まちんと』から平和を表現する国際交流をすすめている高木洋子さんもおいでになります。http://www2.jearn.jp/fs/1194/index.html

日 時:2012年12月1日(土)午後1時30分から5時

場 所:京都教育大学F棟F11教室

    京都市伏見区深草藤森町1

    JR奈良線・藤森駅下車(徒歩約3分), 京阪本線・墨染駅下車(徒歩約7分)

交 通:http://www.kyokyo-u.ac.jp/access/access01/

周辺図:http://www.kyokyo-u.ac.jp/access/access02/

構内図:http://www.kyokyo-u.ac.jp/campusmap/campus01.html

発 表:

「平和教育の年表」

 村上 登司文(京都教育大学)

「平和教育の構造 - 

 "Peace Education: A Pathway to a Culture of Peace"の内容から」

 淺川 和也(東海学園大学)

「世界秩序の教育と軍縮・不拡散教育:実践例」

 野島 大輔(関西学院千里国際高等部教員・立命館大学国際関係研究科博士課程)

参加費:無料

主 催:関西平和教育学研究会

    平和教育学研究会

    http://www.ngo-npo.org/peace-education/index.html

協 力:平和教育地球キャンペーン

        http://gcpej.jimdo.com/

申込み:https://ssl.form-mailer.jp/fms/6e79e445210113

問合せ:hapgcpej@gmail.com

 

[報告]

 淺川から、フィリピンで出版された平和教育の書籍の翻訳がすすんでいることの紹介がなされた。去る8月ひらかれたIIPE(国際平和教育研究集会)でのフィリピンからのロレッタ・カステロさんの発表に触発された角田さん(ERIC・国際理解教育センター)が発案してつくられたティームで翻訳すすんでいる。もっとも淺川は数年前にミリアム大学を訪問した際、手にいれていたが、再度、呼びかけにこたえて翻訳をすすめることになった。参加者は3人づつ、3つのグループにわかれて、平和教育の項目(書籍の目次から作成)を印刷したスリップを囲んで、平和教育の俯瞰図をつくる活動をした。根源的な課題から、教育の実践的なものという形で分類したり、木のイメージにしてみるグループもあった。その後、フィリピンの文脈では、先住民の伝統文化の尊重があったり、宗教間対話のことが盛り込まれているとの指摘なされた。訳語として、トランスフォーメーションやケアなど、日本語になりにくいものがある。翻訳のティームでは、トランスフォーメーションを超形成的としている。トランセンドは転換と訳されている経緯があるとの論議もあった。

 村上からは「平和教育」関連の年表について報告する予定であっが、会場校にある「学びの森ミュージアム」での特別企画展を説明いただきながら見学することになった。京都教育大学のあるこの地域には陸軍の第16師団が置かれていた。当時の陸軍第19旅団司令部が「学びの森ミュージアム」の建物となっている。本年度・秋季には特別展として、当時の校長の手記や教科書などが展示され徹底した皇民教育がなされていたことがうかがわれた。用意された年表は、戦後の地域、国内、国際的な出来事および出版物について、法律・宣言など、政策、研究、実践・運動、行事を整理した年表は近いうちに発表される予定とのこと。

 高木からは、幼少時の満州からの引き揚げの記憶が語られた。そして後にベトナム戦争報道での少女の写真を見たときに、自分の経験を重さなった衝撃が平和への思いにつながったとのことである。30年にわたり、JEARN(「グローバルプロジェクト推進機構」)をつうじて海外と教室をむすぶ実践の促進に尽力されてきた。JEARNは国際組織のiEARNと連動し、世界130カ国・30 言語・2万6千の教員・200万生徒によって、200プロジェクトが動いている。そのなかから松谷みよ子による『まちんと』を世界各地の子どもが読み、手づくり絵本やデジタルによるビジュアル表現作品を交流するプロジェクトが紹介された。また、アンネ・フランク生誕80周年を記念してつくられたパネルがあり、次の開催地への運送費のみで貸し出されるので、利用されたいとのお話もあった。

 野島は、選択の授業のなかで、「よりよい世界」のための政策提言を生徒がおこなうことにとりんだ事例が、過日のIPRAで生徒4名によってプレゼンテーションされた場面も映像とともに報告された。紛争解決の基盤として教育が重要であると生徒たちが自らが導きだしたとのことである。国際会議で高校生が発表するということのインパクトもさることながら、内容としても政治学の知識も踏まえていて、社会科における今後の実践としての展望が示された。すべての社会科の検定教科書を分析したところ、現代史や政治経済において、国際政治学の知見が反映されているものは、ごくわずかとのこと。かねてから重厚な理論研究にもとづく「新世界秩序」に関する授業実践にとりくんできたが、平和教育の未来の展望をきりひらく事例であった。

 また対立・紛争解決をテーマ(I メッセージ、ホーポノポノ、トランセンド)にした短編アニメも視聴した。

 http://www.peacevideo.net/