第7回平和教育学フォーラム(2022年2月11日・京都教育大学)

テーマ:「平和教育の『見取り図』を描いてみる」

報告2:平和教育と関連する諸教育分野の現状と課題 (ESDとSDGs等)

 

浅川 和也

 

自分のライフ・ストーリーを述べるかたちになるかと思います。大学ごとで定年は異なっており、わたくしが勤めたところは70才でした。大学に勤められているかたは、定年をまっとうされる場合が多いのですが、10年早く退職いたしました。不祥事があったわけではありません。

 

大学の専門は文学部哲学科宗教学専攻でした。宗教学という学問を形づくるのに尽力された岸本英夫による『宗教学』(大明堂)が必読とされたのを覚えています。宗教研究は、宗教思想のみならず、歴史・心理学・社会学・人類学という分野から研究するというのは、平和学・平和研究そして平和教育学をめぐる状況と似ているのでは、と思い返しております。

 

本来は、社会科(倫理社会)の教職課程をというのが妥当でしょうが、単位を揃えれば、英語科の教員免許を得ることもできました。私立高校で1年講師を、公立高校で教諭として10年務めました。教科指導および教科外では、学級担任また生徒会顧問として、自治活動へのとりくみも現場で経験しました。民間教育研究団体・教職員組合での教研活動をするなかで、実践をまとめたり発表し、出版する機会にもめぐまれました。コロンビア大学ティチャーズカレッジ(TC)東京校修士課程に学びました。当時、英語教員を対象にした海外の大学院の日本校が何校かありました。TC東京の場合、春・夏の休暇に集中講義が主でしたが、中学高校の現職教員よりは、専門学校などや大学でも非常勤として教えている外国人講師が資格を得て、大学に職を得ることが多かったように覚えています。TC東京校では英語教育に関連する科目とは別にベティー・リアドン(Betty Reardon)さんによる平和教育の講座がありました。

 

○○教育は花ざかり

中学校・高校では、教科教育に重きがおかれる傾向にありますが、当時は同和教育はもとより保健、安全、防災教育などがさまざまな分掌でなされていました。今では、金融経済教育といったものも指導要領に入れられるよったようです。国土交通省や気象庁による防災教育、内閣府との主権者教育またメディア・リテラシー教育、厚労省では社会保障教育やキャリア教育、経産省ではエネルギー教育(原子力発電を推進するものであったりしますが)なされているほか、キャリヤ教育など枚挙にいとまがありません。さらに地域におうじて北海道や他県でも北方領土教育も展開されています。また学社融合としてボランティア・福祉学習へのとりくみがなされ、NPOとの連携も模索されています。

人権教育・啓発推進法をはじめとして環境教育推進法、消費者教育など根拠法があるものもありますが、平和教育に関する法的根拠は、憲法・教育基本法ともに平和を希求しているので、不要なのかとも思えてきます。

 

国際的な潮流

IIPE( International Institute of Peace Education・国際平和教育集会)はベティ・リアドンらによって、1982年にニューヨーク・コロンビア大学ではじめられ、後に世界各地で開催されるようになりました。日本では、東京YMCA(1992)やICU(1996)で開催され、わたくしは国立女性教育会館(2012)での実施にあたり準備から運営まで尽力いたしました。現在、Mapping Peace Education( https://map.peace-ed-campaign.org/view/mapping-peace-education/ )やPeace Educators from Around the World( https://people-pe.ahdr.i-i-p-e.org/ )という、いわばアーカイブをウエッブで公開するとりくみがすすめられています。

 

1990年代、ERIC(国際理解教育センター)が毎年、グローバルセミナーをおこない、人権・開発・環境・平和のための参加型学習をいちはやく紹介されていました。平和関連ではESR(Educators for Social Responsiblities)によるW.クライドラー『対立から学ぼう』(1994)も翻訳され、ワークショップもなされました。ちなみに当時、事務局長であった吉田新一郎さんは、現在でも魅力的な教育書を次つぎに翻訳されています。

 

1990年代半ばに、D.セルビーらによるグローバル教育が、河口徳子(大東文化大学)さんによって紹介され、来日ワークショップの手伝いもしました。教育科学研究会や全国生活指導研究会などの民間教育研究団体の連携のもとひらかれたセミナーやワークショップの記録は『学習の転換』(国土社, 1997)としてまとめられています。1995年から5年間、毎年夏、日本からの教育関係者を対象にビクトリア(カナダ)で、概ね10日あまりのグローバル教育セミナーinカナダを実施しました。このセミナーの参加者の一人であった小関一也(常磐大学)さんは、その後、OISEに留学し「地球市民を育む学習」( http://www.tokiwa.ac.jp/~oseki/index.html )というウエッブを公開しています。いわば"Global Teacher, Global Learner"(Hodder & Stoughton, 1988)『地球市民を育む学習』(明石書店, 1997)は古典ともいえるものですが、ほかいくつもの書籍が翻訳されています。現在では、英国に戻られ、Sustainability Frontiers( http://www.sustainabilityfrontiers.org/index.php?page=david-selby )という気候変動教育を推進する団体をされています。

 

"In The Global Classroom"(Pippin, 2001)は、小関さんらによって『グローバルクラスルーム』(明石書店, 2007)[ https://www.akashi.co.jp/book/b65625.html ] として翻訳出版されました。目次は以下のとおり:第1章 肯定的で協力的な学びをつくる / 第2章 つながり / 第3章 ちがい:ものの見方を意識する / 第4章 未来 / 第5章 環境と持続可能性 / 第6章 開発と地球規模の公正 / 第7章 権利と責任 / 第8章 平和 / 第9章 テクノロジー / 第10章 マスメディア / 第11章 健康 / 第12章 公正 / 第13章 シチズンシップとなっています。平和教育では、D. Smith, T. Carson “Educating for a peaceful future”( Kagan & Woo, 1998) には、D.セルビーとG.パイクによる26の活動事例が所収されています。

 

平和の文化国際年(2000)

2000年は、西欧において、千年紀にあたり重要な節目となるもので、国連によって平和の文化国際年とされました。ユネスコを中心として、マニフェスト2000(わたしの平和宣言)への署名活動がとりくまれました。その後10年間、世界の子どもたちのための平和と非暴力の文化国際10年( - 2010)としての活動が呼びかけられましたが、政府はあまり熱心ではありませんでしたが、平和の文化国際年を準備したD.アダムスさんによって、"WORLD REPORT ON THE CULTURE OF PEACE" ( https://decade-culture-of-peace.org/2010_civil_society_report.pdf )として報告書がまとめられています。

 

平和教育地球キャンペーン(GCPE) 

1899年になされたハーグ平和会議の100周年を記念して、Hague Appeal for Peace(1999)がひらかれました。その後継として、平和教育地球キャンペーン(GCPE) が組織され、平和教育を制度化するための働きかけがなされました。その成果として、フィリピンにおいて、基礎教育および教師教育における平和教育を位置づけるフィリピン大統領令(Executive Order)No.570(2006)だされたことがあげられます。また、ベティ・リアドンとアリシア・カベスードさんの編集による'Learning to Abolish War: Teaching Toward a Culture of Peace" ( https://www.peace-ed-campaign.org/learning-to-abolish-war-teaching-toward-a-culture-of-peace/ )が刊行されました。アリシア・カベスードさんはアルゼンチンで、軍事独裁政権下において、教育者の地下活動を組織したことが背景にあります。『戦争をなくすための平和教育』(明石書店, 2005)[ https://www.akashi.co.jp/book/b65199.html ] として翻訳いたしました。

 

武力紛争予防のためのグローバルパートナーシップ

(The Global Partnership for the Prevention of Armed Conflict:GPPAC)

国連において、経済社会理事会におけるNGOの関与は欠かせないものとなっているのですが、安全保障に関しては、国家主権のもとにあるとのことから、安全保障理事会では、未だまだとのことで、アナン事務総長(当時)のよびかけによりNGOによる平和構築のための会議が2001年になされました。その一環として、平和教育部会( https://gppac.net/files/2019-07/PEWG%20Bios%202019.pdf )( https://gppac.net/what-we-do/peace-education )があり、以降、活動を継続している。オハイオでの諸会議に数回参加する機会がありました。ほかケニア大統領選をめぐる2007年の暴動への対処としての教育がナイロビひらかれ、ソウル、エルサレム、クリミア、アルメニア、ウクライナなどでも会議に参加する機会もありました。

学校教育での教育課程において暴力防止と平和的な紛争解決をすすめるモンテネグロやセルビアにおけるナンセンダイアログセンターによる活動や、ポストコンフリクトにおけるメディア・トレーニングマニュアルをつくり実践するとりくみも報告されています。GPPACの事例では、学校外でも平和にかかわる、紛争予防(conflict prevention)、平和創造(peacemaking) 、平和維持(peacekeeping) 、平和構築(peace-building)のひろい分野でのとりくみがなされていると思われます。

 

国際社会の歩み

ライフ・ヒストリーとしてのいくつかのかかわりを紹介させていただきました。他方、国際社会の歩みとして、国連による国際年と国際デーをあげてみます。国際年として、国際平和年(1986)や国際寛容年(1995)、平和の文化のための国際年/国際感謝年(2000)、国連文明間の対話年(2001)、世界人権学習年/国際和解年(2009)、文化の和解のための国際年(2010)、平和と信頼の国際年(2021)、また国際デーとして、1月27日:ホロコースト犠牲者を想起する国際デー、5月8~9日:第2次世界大戦で命を失った人たちのための追悼と和解のためのとき、5月16日:平和に共存する国際デー、9月21日:国際平和デー、9月26日:核兵器の全面的廃絶のための国際デー、10月2日:国際非暴力デー、12月10日:人権デーなどがあります。こうした国連の動きも教材となるものと思われます( https://www.un.org/en/visitor-centre-new-york/page/teach-un )。

 

いずれにせよ、国際社会は平和の理想の実現のためにさまざまな条約や宣言、勧告、規則などを着実に実現させてきていると思われます。そのために、たとえば、核兵器禁止条約前文に「あらゆる側面における平和と軍縮教育、ならびに現代および将来世代における核兵器の危険性と結果を認知する重要性を認識し、さらに本条約の原則と規範の普及に向けて取り組む」とあるように教育は重要な役割が期待されることになります。核脅威イニシアティブ(The Nuclear Threat Initiative, NTI)[ https://www.nti.org/education-center/ ]や国際赤十字( https://blogs.icrc.org/law-and-policy/2020/01/23/peacebuilding-divided-education/ )

 ( https://www.ifrc.org/education )などにおいても教育・啓発資料が編纂されています。

 

核の脅威についての教育は、軍縮教育のとして、かねてからなされてきたといえるでしょう。1978年に第1回国連軍縮特別総会がひらかれ、1980年にユネスコ軍縮教育世界会議最終文書が採択されました。その後、1982年より国連総会決議による国連世界軍縮キャンペーンも開催され、1992年 国連軍縮情報プログラムがなされたとの記録もあります。2000年代になり、あらたに軍縮不拡散教育が展開されるようになります。国連事務総長報告書(2002)[ https://digitallibrary.un.org/record/494738?ln=en ]では、各国に軍縮・不拡散教育報告書の提出を求めていますが、実際になされたのは数少ないのが実情です。軍縮会議(Conference on Disarmament, CD)スイス・ジュネーブ日本政府代表部のウェブ( https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/un_cd/cd/gaiyo.html )に概要が掲載されていますが、外交官への研修が主のように見受けられます。ほか具体的には土岐雅子によるCritical Issues Forum( https://sites.miis.edu/criticalissuesforum/ )があり、国連軍縮部(United Nations Office for Disarmament Affairs・UNODA) [ https://education.unoda.org ]による軍縮不拡散教育オンラインコースもあるようです( https://www.un.org/disarmament/topics/education/ )。

 

ミレニアム開発目標(MDGs)およびESD(持続可能な開発のための教育)、SGDs(持続可能な開発目標)

2000年が千年紀として、重要であったのに同様、2000年から15年間、ミレニアム開発目標(MDGs;Millennium Development Goals)の達成に国際社会は尽力することになります。MDGsは、2015年にさらに2030年へのSDGs(持続可能な開発目標)となり、政府産業界をあげてのとりくみとなっているようですが、ある種のビジネスチャンスとなっているかのようです。消費社会への問い直しが忘れられている懸念はないでしょうか。

 

MDGsおよびSDGsの達成へと、ESD(持続可能な開発のための教育の10年)が推進されています。関係省庁連絡会議では、文部科学事務次官と環境事務次官が議長となっているように、文科省と環境省が主管のようにも見受けられます。ESDについての経緯は世界の祭典推進フォーラム( http://www.desd.jp/goal/history.php )に記述されています。文部科学省は、実績を示すためか、戦後とりくまれていたユネスコ協同学校をユネスコスクールとして増やしていったようにも思えます。戦後とりくまれ、以前は数校だったのが、1,120校(2019年11月現在)となっています。ACCU(ユネスコア・ジア文化センター)による支援もなされ、ASPnet(ユネスコスクールネットワーク)[ https://www.unesco-school.mext.go.jp ]も組織されています。

 当初、文部科学省によって、示されたESDの概念図にあったのは、環境・エネルギー・国際理解・世界遺産や地域の文化財等に関する・その他関連する教育、でした[ https://www.unesco-school.mext.go.jp/aspnet/esd/ ]。他方、市民によるESD-J(持続可能な開発のための教育推進会議)[ https://www.esd-j.org/ ]によるパンフレットには[ http://www.esd-j.org/wp/wp-content/uploads/2012/05/esdgawakaru.pdf ]は環境・開発・多文化共生・福祉・ジェンダー・人権・平和・◯◯教育、とあるようにより社会課題にふえんするテーマも含んだ図が所収され、文部科学省の見解との相違が見てとれます。

ASPnet( https://www.unesco-school.mext.go.jp/schools/ )では、各校のとりくみについて、以下の活動分野「生物多様性、海洋、減災・防災、気候変動、エネルギー、環境、文化多様性、世界遺産、無形文化遺産・地域の文化財等、国際理解、平和、人権、ジェンダー平等、福祉、持続可能な生産と消費、 健康、食育、貧困、エコパーク、ジオパーク、グローバル・シチズンシップ教育(GCED、その他の関連分野」から検索されるようになっています。教科横断的な実践が総合的な学習の時間において、さまざまに意欲的なとりくみがなされたのですが、小学校での英語活動の導入および教科化によって、総合的な学習の時間でのとりくみに、かげりがあるようになっているように思います。現在でも文部科学省はESDを掲げるものの、韓国・ソウルになるAPCEIUではグローバル・シティズンシップへのとりくみが軸となっています。

 

もう一つユネスコでのメディア情報リテラシーに関するとりくみが注目しています( http://www.unesco.org/new/en/communication-and-information/media-development/media-literacy/global-alliance-for-partnerships-on-media-and-information-literacy/ )。ICTの普及また、メディア社会の進展にともない、機器の使い方や情報モラル教育がとりざたされていますが、デジタル・シチズンシップという概念がだされています。平和教育の一環として必須になるものと思われます。

 

北米での平和教育

GPPACでの会議ではCASEL(Collaborative Socio Emotional Learning) [ https://casel.org ] という団体による紛争解決教育の事例がしばしば報告されていました。ESR(Educators Social Responsibilities)は反核運動を展開した団体ですが、その後、教室での紛争解決教育に転換したようで、現在は、Engaing Schools( https://engagingschools.org )という団体となっています。開発教育協会の中村絵乃はニューヨークにあるMorning side center ( https://www.morningsidecenter.org ) を訪れ、「アメリカの対立から学ぶ教育」( https://www.crn.or.jp/LIBRARY/NY/index.html )として報告しています。こうした体験的な学びは、古くは阿木幸男さんが紹介したクエーカーによる非暴力トレーニング、あるいはCAP(子どもへの暴力防止プログラム)やアサーション・トレーニングともつながりがあるようにも思えます。

戦後、日本では、全国生活指導研究協議会(全生研)などにより、集団づくりがすすめられました。デューイやソヴィエト教育学に影響をされたようにも思います。他方、近年では、日本協同教育学会もできています。紛争解決が集団づくりや協同学習の一つの柱となっているのではないかと思われます( http://www.toshobunka.co.jp/books/searchresult.php?genre_cd=7 )。

NHKで放映された「プロフェッショナル仕事の流儀 2007年4月3日放送 人のなかで人は育つ 中学教師・鹿島真弓」( https://www.nhk.or.jp/professional/2007/0403/ )では、構成的グループエンカウンターの活動が紹介されていましたが、その一つがD.セルビーらによる権利の熱気球でした。構成的グループエンカウンターに関しては、国分康孝らによる書籍が多く図書文化から刊行されています。

 

欧州での民主主義および人権教育

欧州における民主主義教育は「民主主義的シティズンシップ教育と人権教育に関する欧州評議会憲章(Charter on Education for Democratic Citizenship and Human Rights Education)[ https://rm.coe.int/CoERMPublicCommonSearchServices/DisplayDCTMContent?documentId=09000016803034e3 ]が基底にあるものと思われます。

The Education for Democratic Citizenship and Human Rights Education (EDC/HRE) programm

https://www.coe.int/en/web/edc/home?desktop=true

といったプログラムが展開されています。

 

IIPEが2009年にハンガリーのブダペストにて、EYC(ヨーロッパ青年センター)でおこなわれ参加しました。その際、EYCではCOMPASS Manual for Human Rights Education with Young people( https://www.coe.int/en/web/compass )を知りました。30言語に翻訳をされ、日本語版もあることを知りました。2002年に初版が、2012版が刊行されています。最新では2020年に改訂されものがオンラインで公開されています。『人権教育のためのコンパス[羅針盤]』(明石書店, 2006)[ https://www.akashi.co.jp/book/b65447.html ]。また、子どもむけのものはCompasito ( https://rm.coe.int/16807023d0 )として、日本語版は『コンパシート【羅針盤】子どもを対象とする人権教育総合マニュアル』(人権教育啓発推進センター, 2009)[ http://www.jinken.or.jp/archives/2521 ]として刊行されています。

 

ほか、英国での人権教育に関しては次のサイトにあり、12課からなっています。

The Equality and Human Rights Commission (UK) https://www.equalityhumanrights.com/en/lesson-plan-ideas

Lesson 1 - Actions and consequences, 2 - Developing empathy, 3 - Identity and characteristics, 4 - Diversity, 5 - Prejudice and stereotypes, 6 - Discrimination, 7 - Equality Act 2010, 8 - What are human rights?, 9 - How do human rights work?, 10 - Balancing human rights, 11 - Influencing attitudes, 12 - Taking action

 

アンネフランク財団

アンネフランク財団は、アンネの隠れ家を管理するのみならず、さまざまな人権課題にたいする教育活動もおこなっています。

https://www.annefrank.org/en/education/

そうしたプロジェクトのうち、Story that move というサイトには、オランダに移住した青年へのインタビュー

https://www.storiesthatmove.org/en/home/

が所収され、Seeing&being, Facing discrimination, Life stories, Mastering the media, Taking actionという5つの柱からなっています。

 

ヨーロッパでの歴史教育

ヨーロッパ歴史教育者会議( https://www.euroclio.eu )では論争をとりあげること ( https://euroclio.eu/tag/controversial-issues/ )が提起されていますが、日本では過度に政治的中立が求められるので、難しいところでしょう。

 

国連による人権教育

国連による人権教育は、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR : Office of the High Commissioner for Human Rights)

https://www.ohchr.org/EN/Issues/Education/Training/WPHRE/FirstPhase/Pages/UNESCO.aspx ]

が主管となるところでしょうが、さまざまな部門での人権教育を推進するようなとりくみが United Nations Inter-Agency Coordinating Committee on human rights education in the school systemよってなされています。

https://www.ohchr.org/EN/Issues/Education/Training/WPHRE/FirstPhase/Pages/UNInterAgency.aspx

 

ヨーロッパにおける社会課題

人権教育からふえんして、青年の暴力的急進主義や極化(violent radicalisation / extremism)予防への対処が課題となっているようです。国連薬物・犯罪事務所(UNODC)では、国連犯罪防止刑事司法会議第13回コングレス(2020)において「2030アジェンダの達成に向けた犯罪防止,刑事司法及び法の支配の推進」することになり、そのためのeLearningのサイトが構築されています。

https://www.unodc.org/elearning/index.html

 

欧州評議会による青少年教育のサイト

https://www.coe.int/en/web/youth/home

にはインタラクティブなビデオも掲載されています(容量が大きいので時間がかかるようですが)。

https://thefair-compass.coe.int

 

関連するリソースをあげておきます。

JustNow -A Toolbox for Teaching Human Rights

https://www.kreisau.de/en/projects/contemporary-history-human-rights/justnow-a-toolbox-for-teaching-human-rights/

 

Youth work against violent radicalisation

http://youthcommunityresilience.eu/portfolio/positive-narrative/

 

Young people and extremism: a resource pack for youth workers

https://www.salto-youth.net/downloads/4-17-3477/SALTO%20extremism%20pack.pdf

 

Understanding radicalisation and building resilience to counteract polarisation

https://cordis.europa.eu/article/id/418140-understanding-radicalisation-and-building-resilience-to-counteract-polarisation

 

Radicalisation, Secularism and the Governance of Religion: European and Asian Perspectives (GREASE)

http://grease.eui.eu

 

The BRaVE (Building Resilience against Violent Extremism and Polarisation)  Project

http://brave-h2020.eu/repository/D2.1_BRaVE_concept_paper_final_10Dec2019.pdf

 

Kofi Annan Foundation

https://www.kofiannanfoundation.org/extremely-together/

 

The contribution of youth work to preventing marginalisation and violent radicalisation A practical toolbox for youth workers & Recommendations for policy makers   http://www.injuve.es/sites/default/files/informe_coe.pdf

 

ICCT The International Centre for Counter-Terrorism

https://icct.nl/app/uploads/2019/09/Extreme-Right-Violence-and-Terrorism-Concepts-Patterns-and-Responses.pdf

 

The Education for Justice (E4J)

https://www.unodc.org/e4j/

 

FIRST-LINE PRACTITIONERS

https://www.firstlinepractitioners.com/armour-toolkit/armour-toolkit-english/

 

Prevention of Radicalisation in Prisons HELP programme ONLINE Course

https://ec.europa.eu/home-affairs/system/files/2021-05/ran_collection-approaches_and_practices_en.pdf

 

Rule of Law

https://www.icivics.org/teachers/lesson-plans/rule-law

 

青少年が平和の担い手となるようすすめています。

UNOY United Network of Young Peace Builders

https://unoy.org/downloads/beyond2250toolkit/

 

ボーイスカウトのとりくみです。

https://www.scout.org/peaceandhumanrights

 

その他;ユニセフではインクルーシブ教育を展開しています。

UNICEF ToT Modules on Inclusive Education

Enabling Environments for Personalized Learning

https://www.unicef.org/eca/sites/unicef.org.eca/files/2019-03/ToT_Module_3_0.pdf

 

ユニセフによる健康な生活のためのプロジェクトあります。

MALL STEPS FOR A HEALTHIER LIFESTYLE

https://www.voicesofyouth.org/

 

また難民への理解をはかる教材もユニセフによってつくられています。

TEACH UNICEF Martha’s Story The Impact of Armed Conflict A MIddle SCHOOl UNIT (GRAdeS 6–8)

https://docplayer.net/29514649-Martha-s-story-the-impact-of-armed-conflict.html

 

UNHCR(難民高等弁務官事務所)によるものもあります。

UNHCR Teaching about Refugees

https://www.unhcr.org/teaching-about-refugees.html

Helping Refugees Grade Level: High School (9-12)

 

さまざまな団体によるとりくみを列挙しましたが、教職員組合の世界規模の団体である教育インターナショナル( ei, Education International )よる平和教育のことがあげられているので紹介しておきます。

https://www.ei-ie.org/en/item/20945:peace-education

 

近刊書・高部優子ら『平和創造のための新たな平和教育』9法律文化社, 2022)

https://www.hou-bun.com/cgi-bin/search/detail.cgi?c=ISBN978-4-589-04193-7

にベティ・リアドンによる論稿が所収されていますが、そこでは、環境正義という概念もだされている。

 

最近の運動として A World Beyond War では戦争をなくすための政策提言をしています。

A Global Security System: An Alternative to War

https://worldbeyondwar.org/alternative/

日本語要旨

https://worldbeyondwar.org/downloads/japanese-summary/

 

わたくしたちは何をめざすのかということですが、心理学において、「幸福・幸せ」研究も緒についたばかりと聞きます。幸福や幸せといった抽象概念は、とらえどころがないということから、検証不能とされてきたとのことです。平和も抽象概念ですので、同様の論議があるのかもしれません。

 

見取り図として、森羅万象すべての相互連関を示した金剛界・胎蔵界曼荼羅をあげておきます。

東京国立博館 [ https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1411 ]

 

ブレイクアウトルームでの話題として、3つを提示させていただきます。

 

・今回のフォーラムにどのような期待をもってご参加されたでしょうか、

・迷子になった「わたしは」どこから来て、どこをめざすのでしょうか、

・こだわりはなんでしょうか。

 

https://gcpej.jimdofree.com/cipe/kansai/10b/

報告1:「平和教育学にとっての『基礎』となる研究をどう共有するか」

~今日の平和教育研究の困難性:“新しい平和教育”論を、12の展開軸から見てみる~